みそ誌

刺繍と絵画の二人組-misomiso-がお送りします

ゲームと思い出

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スーパードンキーコングを初めてプレイした時の驚きを今も覚えている。スーパーマリオの世界に比べて圧倒的に滑らかで奥行きのある画面に興奮した。しかしあの気持ちは音への驚きも含んでいたのだなあと久々にプレイしてハッとする。アンビエントな音楽の彼方に聞こえる動物の声、虫の羽音にドンキーの足音。夏休みに野山で遊んだ記憶と自分の中で混ざっているのがおもしろい。

 

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ポケットモンスターって知ってる?、、と仲のいい友人が教えてくれた。彼はとても賢く控えめな少年で、僕らは狭っ苦しい団地に住んでおり彼はウサギを飼っていた。火を吐く怪獣がパッケージのレッドバージョンを彼が持っていたので、僕は潰れたカエルが描かれたグリーンバージョンを手に入れた。二人だけでプレイしていたそのゲームは団地の友だちに広まり、瞬く間に日本中の小学生がプレイすることになる。僕の内気な友人の家が日本中の流行の発信源だったことを僕だけが知っている。

 

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小学生高学年に差し掛かった頃か。よく遊んでくれる中学生がいた。彼は髪が長く白い肌をしたゲーマーで、家にはたくさんのゲームがあった。薄暗い部屋でゲームセンターにあるようなスティックの付いた特殊なコントローラで格闘ゲームに興じた。スマブラにはないアングラな大人の世界を感じたことを覚えている。

 

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先日、レトロゲームをプレイして地域交流するという趣旨のイベントに参加した。区民センターの一室に所狭しとゲームや漫画が置かれている。僕が着いた頃にはもう夕方だったが近所の小学生たちがファミコンの野球ゲームを楽しんでいた。大人の参加者はオタクな雰囲気でほどほどに和気藹々。同じ部屋にいながら思い思いにゲームをして漫画を読んで、少しだけ交流して、、不思議な空間だった。子どもたちはこの場所のことをどのように思い出すんだろか。

 

(そ)