みそ誌

刺繍と絵画の二人組-misomiso-がお送りします

コーネルの箱

DIC川村記念美術館の「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」展を鑑賞した。

 

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ジョゼフ・コーネル 《鳥たちの天空航法》

出展:DIC川村記念美術館

 

コーネルの箱作品は好きだったんだけれど、まとまった数の作品を一度に観る機会はなかった。今回の展覧会は展示会場の一室に20点程はあったろうか、日本中から多くの箱、他にもコラージュ作品や手記、手紙、映像作品までを集めた、ファンとしては嬉しい内容だ。

 

コーネルの箱からはプライベートな印象を受けるが、それとは逆に多くの人々に共通する記憶を刺激するような間口の広さも持ち合わせている。この箱はともすれば作家自身の思い出を綴る日記にもなり得たと思うが、コーネルが見つめていたのは日常の彼方ー記憶の奥底にある小さな宇宙だったのだろう。私的日常的に収集した数々のモチーフを組み合わせることで作者自身と切り離せない、そして同時に他の誰もが「自身と切り離せない」と感じるようなイメージを生み出している。

 

 

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鳥を好んだコーネルも喜ぶだろうか。美術館の前には大きな池があり水鳥たちがぷかぷかと浮かんだり野原で羽の手入れに勤しんでいる。白鳥の雛が母鳥の後ろについて泳ぐ姿が愛くるしかった。

 

 

 

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ちなみにカタログが素敵。3種類のデザインから選べるという凝った仕様です。作品画像の豊富な日本語書籍って探してもなかなか見つからないのです。届くのがたのしみだな。

 

(そ)

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