コーネルのカタログ
先日、DIC川村美術館での「ジョゼフ・コーネル コラージュ&モンタージュ」展の記事を書きました。
misomiso-embroidery.hatenablog.com
会場での予約販売だったカタログを注文していたのがようやく届きました。これがとっても凝った内容なので紹介したいと思います。
まず外箱はコーネルがコレクションしていたコラージュ用素材から選りすぐった3種類のデザインから選択できます。僕は身体のない夫人と眼差しを向ける子どもの図柄を選びました。
箱から本を抜き出すと、布張りのかっちりとした作り。外箱には特別柔らかい手触りの紙が貼られているので布の手触りとの対比があります。かすれたような銀文字で印刷されたタイトルは、コーネルの箱作品にコラージュされた文字の雰囲気があり細かいところまで手が込んでいます。
判型もハードカバーの小説サイズなのでカタログにしては小さく、印刷も細かいところまで鮮明に観ることができるほどよくはないですが、コーネル作品の古めいた味わいが感じられる仕上がりになっています。水色とグレーの栞紐もコーネルがたびたびモチーフとして取り入れた天体のイメージが想起されて素敵です。
肝心の内容は展覧会と同じように初期コラージュ作品→箱作品→後期コラージュ作品、日記や手紙などの付帯情報、映画作品を紹介する構成になっています。コーネルの活動を一望できる内容ですし、巻末資料(年譜、展覧会歴、参考資料)も充実しているのでコーネルを研究したい、知りたい人のとっかかりの一冊としては最適ではないかなと思います。
図版をぱらぱらと眺めるだけで古びた夢のような作家の世界にどっぷりと浸れ、コーネル作品が手元にきたかと思えるくらい所有欲が満たされる素晴らしい一冊です。美術館の公式サイトでは一般書店でも販売予定とアナウンスがあります。デザインは選べないけれどアマゾンにも販売ページがありますね。
- 作者: ジョゼフ・コーネル,ジョナス・メカス,アン・モラ,フェアフィールド・ポーター,金井美恵子,岡本想太郎,DIC川村記念美術館
- 出版社/メーカー: フィルムアート社
- 発売日: 2019/06/25
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
(そ)
--
みそみそは絵描きと刺繍作家のユニットです。
刺繍作品を販売中なのでよろしければご覧くださいね。